P
カナダのマクドナルドフランチャイズ店では、数年前から毎年職探しをする人々が増えるこの時期に、６,０００人の若者の採用を受け入れる“１日限定の雇用キャンペーン”を行なっているそうです。（ロゴの真ん中にMapleが！？かわいいですね）
実際問題、４年生のUniversityを卒業したカナディアンでさえ、Full-Timeの職を見つけるのが難しく、特に"高学歴”や"新卒”であることがブランド化している日本と違い、こちらではいかに"社会での経験があるか”やその人自身の"スキル”が重視されることもあり、若い世代の就職率というのは非常に厳しい現場があります。今回の記事にもあるように、雇用主側にとっては外国人労働者の弱い立場を利用したり、カナディアンの若い世代よりも扱いやすいと考えて外国人労働者を優遇するといったケースもありますが、その逆ももちろんあり、言語のハンディキャップを持つノンネイティブの求職者に対して、それに加えてビザのサポートが必要になるために、雇用側も採用に対して腰が重いというのは理にかなっているとは思えど、留学業界で働く私達の立場からすると、やはり海外でFull-Time Workerになるということは簡単なことではないと改めて実感します。
職業柄、海外で就職したい、キャリアチェンジをしたいというご相談を頂くことが頻繁にありますが、逆に日本での就職活動に備えて海外留学してきているという生徒さんからのご相談はもっと多いです。
TOEICのスコアを上げたいからとか、インターンシップの経験を就職活動でアピールしたいからとか、いろんな目的を持ってカナダに来てくれる生徒さんがいるわけですが、いつも何か違和感を感じる部分があって、それが何か考え続けた結果、最近ある1つの答えにたどり着きました。
それは、日本では「英語のスコアや資格を持っていること」「英語圏でのインターンシップ経験があること」というもの自体が、上記に述べた"高学歴”や"新卒”に並んでブランド化されていて（これが、本当の意味で国際化社会に日本が近づいているのかどうかは？ですが・・・）、そのブランドを持つ事自体を目的にしてしまっている人が非常に多いということです。
もちろん、スコアアップや海外での経験というのは、とても価値あることだと思うし、目的は明確でそれ自体が悪いわけではないけれど、そのブランドを身にまとった自分を企業の人事担当によって判断されて、ようやく入った会社でのその先に、みんな一体何を見ているのかというところが、話を聞く人達からまったく読めないという事実に対して違和感を覚えていたのです。
これは私自身が、目標を定めたら、そこからその目標を達成するために何をしたら良いか考える『逆算型』であるからかもしれませんが、なんだか目の前のことばかりに必死になってとらわれてしまうということがその先の自分の可能性に本当に結び付くのかどうか疑問に思ってしまいます。
今この瞬間を本気でやるということができない人に明日はないというのはもちろんですが、来るであろう明日の目標さえも持っていないのに、今をひたすらに頑張るということは相当過酷です。
先に述べたように、カナディアンの学生にとって、新卒での就職率というのは非常に厳しい現状ではあります。それでも彼らはPart-Timeの仕事をかけもち、自分の生計を立てながら経験を積んだり、さらに勉強をするために学校に20代後半や30代になっても学校へ進学したりもします。
そしていくつもの職歴のステップを経て、最終的に本来自分がやりたい仕事を目指すというスタイルが一般的です。彼らにとって、同じ1つの会社で何年も働き続けるという考えはなく、転職は自分のキャリアップそのものであると考えます。
そうしたスタイルが良いとか悪いとかそういうことではなく、いつでも見る先には自分の未来があり、今この現状や環境だけにとらわれることなく、先へ進んでいく姿勢というのが本当は大事なのではないかと思います。
だからこそ、日本で働くにしても海外で働くにしても、就職率が高いとか低いとか、ブランドになる資格やスコアがあればいいとか悪いとか、そういう表面的なものに振りまわされるのではなく、自分がなりたいものや自分がやりたいものが本当は何なのか、そしてその為に本当に必要なこととそうでないことの取捨選択がきちんと自分でできる人材になっていきたいと思うし、たとえ直接の道ではなかったとしても、必ずその経験が後々の糧になると信じて進んでいくことが必要なのだと思います。
※参考サイト： CBCNEWS
http://www.cbc.ca/news/business/mcdonald-s-says-it-will-hire-6-000-young-workers-thursday-1.2604134
0 コメント:
コメントを投稿