2014/05/11

カナダWest Jet航空のちょっと楽しくて驚きの顧客サービス~本当の顧客感動とは?

今回出張でTorontoへ行ってきましたが、その際に初めてWest Jet航空を利用しました。
これまでいろいろな航空会社を利用しましたが、機内へ搭乗して当初の出発時刻から1時間半近く待たされたにも関わらず、こんなに楽しいフライトは初めて!!!と感じる空の旅でした:)















West Jet航空は、カナダのCalgaryに本部を置く、Air Canadaに続いて第二の航空会社です。
ホワイトの機体に、ブルーとグリーンのシンプルなロゴとカラーで、主にカナダ国内の主要都市、そしてアメリカ19都市への運航をカバーしています。

国内線ということで、コンパクトな機体と、座席間や通路などは決して広くて快適と言えないものの、
カナダ国内のテレビ番組を見ることができたり、一般的なサービスは整っているので十分だと思いますが、もちろん日本の航空会社の徹底したカスタマーサービスに比べると、及ばない部分はあります。

ただ、今回そのカスタマーサービスの面で、日本とは違う視点での「顧客感動」を体験することができたので、約4時間半のフライト(VancouverとTorontoの時差は3時間)を快適に過ごすことができました。

機内に搭乗してすぐ出迎えてくれたのは、2名の女性クルーと1名の男性クルー、そしてキャプテンとコー・パイロットの5名のメンバーで、日本のような徹底した笑顔と丁寧さはないものの、フレンドリーな雰囲気でのお迎えでした。
ところがいざ出発時刻を迎えても、エアーコンディショナーの不具合やら機体の一部点検漏れなどで、1時間半近くも座席についたまま動けない状態に。
この状況に乗客もイライラを我慢できない・・・・となると思いきや、さすがカナダの皆様、多少のトラブルには慣れているのか、この状況に不満を漏らすような方々はおらず、それどころかみんなを和ませようと、ジョークを言ったりする乗客もいて、終始和やかな状態を保ちつつようやく出発。

そしてようやく飛び立ったところで、男性クルーがマイクを持って、ここでお詫びを・・・・ではなくて、
「Thank you for your cooperation. 今回のみなさんのToronto行きの目的は何!?ハネムーンの人~??? Business Tripの人~???」
といった具合に始まったのでこれまたびっくり。

まるでディズニーランドのアトラクションに乗っているような、アテンドにつられて、乗客全員が待たされたことを忘れたかのように笑顔で、非常に盛り上がった機内でした。
最終的には、無事に滑走路に着陸した瞬間に、全員での拍手と指笛!?笑

こうしてTorontoに到着したのが、時差の為にまさかの真夜中0時前という、翌日から始まるハードな出張のスタートとしてはあってほしくはなかった状況に陥りましたが、何とも楽しい、そしてある種の新鮮な顧客感動を体験することができました。

さて、顧客満足から顧客感動へ、ニーズとともにサービスの質の向上は、業種問わずますます厳しくなっていると言えます。さらに日本は世界に誇るカスタマーサービス徹底国でもあるので、素晴らしい面がある一方で、常に追求していかなければならないというプレッシャーもあります。

しかし、何を持って顧客感動と言うのかと改めて考えた時に、実際のところ、商品自体の質や、きっちり教育された顧客対応だけが必ずしもそうであるわけではなく、結局はお客さんの心を動かすことに本質があり、それは形作れるものではないのだと思います。

その時、その場所、その人自身の性格や背景、感情、いろんなものが交差し合って生まれるその1点の瞬間に相手の心を動かせる仕事ぶりこそが本物の顧客感動であって、それは決して徹底した社員教育や、商品、サービス向上でだけでは手が行き届かない領域の部分でもあると思います。

今回West Jetクルーの乗客に対する対応は、きっと乗客の大半がカナディアンだったからということもあったし、逆に「大変申し訳ございませんでした。」と深々と謝っていたとしても、Complainにはならなかったにしろ、着陸時に拍手は起こっていなかっただろうから、まさにファインプレーだったわけで、私にとっても「West Jetやるなー!!!」という好印象と、日々の生活の中で私達の仕事に活かしていける発見というのは、気づくか気づかないかだけの近いでたくさんあるのだということを学べたのでした。




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