2014/03/30

奇跡の業績改善!カナダBlackBerryのCEOがすごい!


カナダのスマートフォンメーカーBlack Berryが、昨年11月に同じくカナダの金融会社連合に買収されたのは記憶に新しいことです。
深刻な経営不振から、一時は買収されてもなお経営再建の見通しは立たないとさえ言われていましたが、
その時にCEOとして着任したJohn Chen(ジョン・チェン)氏の劇的な戦略により、先日発表された昨年12月~2月までの
アナリストの赤字予測学を大きく下回る結果を出したことがニュースで取り上げられています。

CEO着任後わずか5ヶ月間ほどの間にJohn Chen氏がとった戦略とはどういうものだったのでしょうか。


大きくは以下の3点があります。

1:まずBlack BerryのコアになるCustomerへ耳を傾けたこと。
“If the customer likes it, it’s the right thing to do,”
全ての答え・やるべきことというのは、Customerの中にあるという本質的な立ち位置に戻ったこと、
その上で今までよりもさらに良い商品を提供していくことへ注力した。

2:内部では、営業費用・生産コストのムダを割り出し、削減改革・縮小改革に努めたこと。

3:メインCustomerである企業や政府機関のユーザーに対して、今後のテクノロジーとサービスの
向上ビジョンを提示したこと。

もちろん聞こえが良い部分だけでなく、実際問題従業員の削減など所謂”痛みを伴う改革”もあるわけですが、
わずか5ヶ月間の間でここまで持ち直した、彼の経営者としての存在価値は救世主と言われるほどの
パフォーマンスであったことは事実であると思います。

企業の再建ほど大きな壁でなかったとしても、例えば1つの部署やチームを立て直すと考えた場合でも
同じことが言えます。

業績をあげていく為には、
・売上を上げる(利益を出す)
・コストを削減する(支出を抑える)
この2つしかありません。
そして、これに加えてそこで動く人たちや、エンドユーザーとなり得る人たちのモチベーションや期待値を失わせないこと(どんな場合でも悪いことが続くと、期待感は誰でも現象していきます)、つまりビジョンを見せてあげることというのは非常に重要なことです。

これまでに多くの奇跡の企業復活を成し遂げてきた救世主達が存在し、私もいろいろな方の企業再建におけるストーリーを読んできましたが、具体的な施策は違えど、本質としての方向性はいずれも同じでそれに基づきいかに動くか・・・だけの違いであることに気づきました。

ここに組織を引っ張っていくリーダーとしての力量を感じ、こういうものは、日本人だろうがカナダ人だろうが
(John Chen氏はChinese)世界共通のマネジメントスキルなのだと改めて実感しました。
カナダで暮らす私としては、日本にいた時以上に様々な国の経済市場に敏感になってきましたが、
やはりこういうニュースを目にすると、不景気だと言われたり、再建不可能だと言われたり、そんな逆境に置かれた時に結果を出す人材こそ、”本物”(良い時に良い結果が出せるのは当たり前だから)なのだと思います。
今後のBlack Berry社の動向に期待です!


[参照]
CBC News "Tax Season BlackBerry CEO John Chen on his turnaround strategy"

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